天才の代表選手、アインシュタインは器用なのか不器用なのか?
不器用な人は「こうしたら便利なのでは?」「自分だけうまくいかないけど、なんでだろ?」と考えることが多いのではないだろうか。
息子に話したところ、「アインシュタインはすごく考えるけど、不器用ではないのでは?」と言われた。たしかに脳のなかで相対性理論をこねくり回したり、実験を行ったりすることは器用じゃないとできなさそうだ。
しかし、アインシュタインは不器用だったとの説もある。
アインシュタインは歴史上で最も偉大な科学者だったかもしれないが,人付き合いは不器用で(本人がそう認めている),特に女性に対してはときに無粋だった。
本人が問題意識を持っていたかはわからないが、人間関係に対しては不器用だったようである。
不器用な人はライフハックを考えがち
私は「自分はなんて不器用なんだ……」と思うことが多い。編み物もDIYもするので器用(というか器用貧乏)と言われることもあるけれど、初動でだいたい失敗するし、繊細な仕上がりには程遠い。手先も器用でないが、さらに不器用なのは脳。歩行などに使う自動部分(本体と呼んでいる)と表面意識の連結がうまくいっていないので、自分が何をしているのかすぐデフォルト崩壊してしまう。切符はどこかに消え、書類は自分の名前すらまちがえる。今もほかに優先すべき仕事があるのにこの文を書いている。
おそらくADHDよりのタイプなのだと思うが、そういった人は片付けややる気に関するライフハックをよく発信する。自分がうまくいかないので「なんでだー」と布団で考えた結果なのだろう。特に意識せずパパッとすべきことができ、物も散らからない器用な人には不器用向けのライフハックなど関係ないのだ。
アインシュタインは不器用?
私たちはふだん意識せずに「1+1=2」を受け入れ、スマホを使っている。ゼロが発見されたのは7世紀*。それほど昔のことではない。すべてを根本から理解せずに「こんなもんだ」とざっくり受け入れる器用さが、日常生活には必要だ。
しかし「矛盾にいちいち反応してしまう」「朝起きるという習慣を受け入れられず起きられない」ような生活に対して不器用な人もいる。「必要は発明の母」ということわざがあるが、不器用でうまくいかないからこそ改善や発見が生まれることもあるのではないだろうか。そしてそれは不器用でないふつうの人にも役に立つかもしれない。
不器用な人がみなアインシュタインであることはないけれど、そういった意味で、アインシュタインは不器用ではないのかなと思っている。
*参考