2017年10月より日本でもスタートした「NetGalley」。Galley(発音gǽli)とはゲラの意味です。(ゲラとは、校正刷りなど本印刷の前の確認のため刷りだしたもの)
プロの書店員だけでなく、一般人でも登録すれば書籍のゲラを読むことができ(出版社に申請が必要)、本の応援ができるというサービス。サイトによると登録者数はもうすぐ1500名らしいです。
早速登録して「ファンシー絵みやげ大百科」(山下メロ著/イースト・プレス)のゲラをいただきました(閲覧有効期間は55日)。
(80年代のダサかわいいアイテムがたくさん載っているのかな?)と興味を持ったのですが、中身は想像以上の濃さというか骨太感。学術書といっても良いのでは……?
著者の山下メロさん
山下メロ(ファンシー絵みやげ大百科) (@inchorin) | Twitter
はファンシー絵みやげ(80年代90年代の観光地土産)の保護研究家。
〝なんとなくかわいいものを集めました〟ではなく時代背景や各種ブーム、地域の特性など膨大な資料の元に執筆されています。
よって文字量もページ数も多くお値段もけっこう(3,024円)するのですが、もちろん眺めてもかわいく資料性も非常に高いです。
80年代~90年代前半あたりに隆盛をきわめた丸文字かわいい・POPなデザインというのはシンプルブームにおされて一回廃れ、現在は再評価されています。が、鑑賞者の年代や個性により「ダサい」と感じるか「かわいい」と感じるか様々で、ちょっとずれると本当に時代にそぐわないものになってしまいます。なのでこういった時代背景も書かれた資料は、現代のデザイン決定においても役にたつ!と思います。
↑こちらはおみやげ品ではないですが雑誌Junie(2005年休刊)の付録か全プレシール。80年代産。
実家には他にもナチュラルにファンシー絵みやげが転がっていて、気軽に捨てていたのですがこれからは保護しようと思います。
(追記)
細かいことですがP154に「キツネなどの尻尾を模したキーホルダー。実際に土産店で安価で買えるものがキツネの毛皮であることはなく、ウサギなどの毛皮を用いたフェイクファーである。」とあるのですが、毛皮を用いているのであれば「フェイクファーである」の部分が気になります。すみません、尻尾系のみやげを見るとファーかフェイクファーか確認するくせがあるもので。。