観光旅行はしないけど、旅は多い我が家。
夫:落語家+妻:フリーの編集兼デザイナー+息子:小学生という吹けば飛ぶようなメンバーで、あちこちで道に迷っている。全員が方向音痴なうえ、急いでいるときに限って誰かがうんこをしたくなるので、前に進まない。ご飯を食べに向かったお店は、なぜか臨時休業していることが多い。
息子は小さい頃から落語会や取材に連れまわされているので、旅行というのは〝なにかのついでに移動するもの〟だと思っているらしい。将来は寅さんのように全国を旅しながら暮らしたいとのこと。
ポンコツのため焦る
週末の旅、またもや私の用事に駆り出された息子。
一日目:私がインタビューしている横で爆睡という謎の伸び伸び具合を披露。(関係者の皆様本当にすみません。)
二日目:ニャンフェス9に出店する私の手伝いをやらされる。
会場は忙しく設営する人たちでいっぱい。目の前でどんどんブースが完成されていく。私たちのブースは、準備不足のため一向にすすまない。ニャンフェスというのは猫好きのためのハンドメイドフェスなので、商品は猫に関するものでなくてはいけない。なのに、手元にある商品サンプルは笑福亭羽光(夫)の缶バッジミラーのみ。猫じゃない!
ポンコツは笑う
開場時刻が迫り、イライラが頂点に達した私はケラケラと笑いだした。
息子「どうしたの?」
私「テンパりすぎておかしくなってきた。人生に辛いことが多すぎて、詰むと笑うくせができて、つい、ハハハハハハ」
笑いが止まらない私。息子は
「僕も緊張すると笑いが止まらなくなって困るのに。遺伝のせいなの!? 本当にやめて!!」
とプンスカ。
結局、笑福亭羽光(夫)の缶バッジミラーに「これは何なんですか?」と質問する人も現れず、息子のアシストも素晴らしかったので、ブースはどうにか運営された、と思う。
ただ、2時間くらいでパワーを完全に燃焼し、後半は看板を下げて〝やる気のない古道具屋〟みたいになってしまった。(申し訳ありません。反省しています。)
みんなポンコツなのだろうか
栃木に旅立っていた羽光さんからは連絡がなく、〝スマホを紛失〟中であることを私たちはTwitterで知った。あっちでもこっちでもポンコツが発生していた。
イベント後の反省会、
私「パパかわいそう。」
息子「きっと泣いているだろうね。」
などと話しながら、私たちは一風堂の春季限定・博多肉そばと白丸のりトッピングを食べた。ホットもやしも。
計画的にスマートに生きたいのに、いつも何かわけがわからないことが起こるし、ラーメンについてくる白ごはんも食べてしまう。「すみません!」と言いながら四角いタイヤの自転車を漕いでいるようだ。効率が悪い。
もしかしたら、海外旅行先の写真を投稿してキラキラしているあの人も、仕事ができて売れているあの人も、自分ではポンコツだと思っているのだろうか。
人はみな、おならをする。
そして〝おならはしません〟という顔をしながら、ある程度かっこつけて生きているはず。私たちももう少しおならを控えた方がいいのかもしれない。でも、おならは出てしまうし、出たらやっぱり笑ってしまうだろう。
帰宅後、スーツケースを片付けようとしたら、猫が上に乗って完璧にすましていた。これは開けることができない。つまり、今日は片づけをしなくていいということだ。
私はまた、ケラケラと笑った。